モバイバル・コード
「雷也、コイツ…左手に何をつけてる……?腕輪?」
「僕にもそう見えるけど……あ、携帯取り出した。電話してる」
──電話
『携帯電話』なのに、オレ達はここ数日、1度も電話をしていない。常に通話は『禁止』だとクソモバイバルから言われているからだ。
男は鬼気迫る表情で、携帯電話に罵声を浴びせているのだろう。目つきが、酷い。人間ってこんなに変わるものなのか……?
一発、また壁をぶん殴った。血が付着した壁を、カメラは刻々と映し続ける。
男の目がカっと開いた。ゆっくり携帯に話かけている様子だった。
男は、一度耳から携帯を離し、画面を見た。そして、再びゆっくりと会話をしているようだ。
オレと雷也は画面を凝視している。愛梨も、薄めで見ているのが、オレの胸元の動きで伝わる。
画面の中の男は、急に自分の左手に装着されている腕輪らしき物を外そうとしていた。携帯を右耳と右肩で挟みながら、右手で力任せに引っ張っていた。
──刹那
「僕にもそう見えるけど……あ、携帯取り出した。電話してる」
──電話
『携帯電話』なのに、オレ達はここ数日、1度も電話をしていない。常に通話は『禁止』だとクソモバイバルから言われているからだ。
男は鬼気迫る表情で、携帯電話に罵声を浴びせているのだろう。目つきが、酷い。人間ってこんなに変わるものなのか……?
一発、また壁をぶん殴った。血が付着した壁を、カメラは刻々と映し続ける。
男の目がカっと開いた。ゆっくり携帯に話かけている様子だった。
男は、一度耳から携帯を離し、画面を見た。そして、再びゆっくりと会話をしているようだ。
オレと雷也は画面を凝視している。愛梨も、薄めで見ているのが、オレの胸元の動きで伝わる。
画面の中の男は、急に自分の左手に装着されている腕輪らしき物を外そうとしていた。携帯を右耳と右肩で挟みながら、右手で力任せに引っ張っていた。
──刹那