モバイバル・コード
「どうして、オレは泣いてるんだ……?」


「龍ちゃん、色々……責任感じたりしてるから、少し情緒不安定になってると思う。あたしも、だけど……」


「そうかも……だけど、泣いてなんていられないよ。今、何時だ?」


「22時15分を過ぎたトコロ……。雷也は、まだ寝てたの。あたしだけ起きちゃって、龍ちゃんがうなされながら泣いてたから……」


 なるほど、それで心配になってたんだ。


「大丈夫、むしろ愛梨が起こしたから慶兄の言葉、聞きそびれちゃったよ」


 作り笑いでも、愛梨は少しホッとしてくれたらしい。それなら、いい。


「じゃあ雷也を起こすか……」


「もう起きてるよ。おはよ」


 雷也はいつの間にか、キッチンに居た。気配で気づけなかったのか…。


「居たなら居たって、言ってくれよ……。いつから居たんだ?」
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