モバイバル・コード
「やったぁ!!!雷也、勝ったんだねっ!早くヒント来ないかな?」


「正攻法で戦ってはいないだろうな。ホント、ざまぁみろ、マモルのやつ」


「重要なヒントだ、やってくれた。流石だな、雷也は。愛梨、雷也にメッセージ送ろう」


「うんっ!もう20分くらい経つから、きっと大変な戦いだったんだよ!」


【雷也、良いけっかだ。ありがと】


これでよし。雷也には、本当に感謝しなければならない。


 そして、考えないとな。作戦は、どうすればいいのか。


「あれ……? 龍ちゃん、何してるの?」


 対面の壁に寄りかかる愛梨が、小さく笑って、オレの顔を見つめる。


「えっ?何が?」


「『がんばれよ、雷也』って、あたしにメッセージ送ってどうするの。それに、マモルとのゲームも終わったばかりなのに、頑張れって……雷也に丸投げしてるみたいで良くないよ?」


 どういうことだ。オレは愛梨になんて、メッセージを送っていない。
< 693 / 835 >

この作品をシェア

pagetop