モバイバル・コード
──9月30日 午後12時10分
朝のアルバイトを終えて学校に向かう。眠気とダルさとの格闘。火蓋は切って落とされた。
午前の授業はいつもとなんら変わりはない。休憩時間にクラスの連中らは、慶兄のインタビューの事を引っ切り無しに話していた。
雷也の席には色々な人が質問に来ていた。うんざりた様子の雷也には、オレも同情を覚えるよ。
オレは熱心に携帯電話をいじるが、相変わらずメールもちゃんと打てない。
10分休憩の度に少しずつ作成していたメールを、昼休みの時間でやっと完成させた。
苦心の作品を、愛梨がわざわざ評論しにやってきた。
「龍ちゃん、携帯使えないっていっても句読点の間違いくらい気づくでしょ」
キラキラ光るピンク色の携帯が眩しい。
【昨日、 は.ごめん。心ぱいしてくれたんね、ありがとう】
鬼の首でも獲ったかのような愛梨の屈託の無い笑顔。
「こんなんじゃ『10月1日』にオープンする新サイトで遊べないよ。あたしと雷也は賞金ばっちり狙ってるんだから」
「勝手に狙ってろよ。賞金2億なんてもらえるわけ無いだろ。慶兄が話を盛ってるんだよ。
ましてどうやって携帯のゲームをするのか分からないオレが勝てるわけ無いし……いいんだよそんなもん」
──嘘10割
慶兄はやると言ったらやる男だ。
2億は本当のはず。
それに、名刺にも書いてあるのに今更実施しません、なんて国がいう訳もない。オレにとってのはただの強がりだった。
朝のアルバイトを終えて学校に向かう。眠気とダルさとの格闘。火蓋は切って落とされた。
午前の授業はいつもとなんら変わりはない。休憩時間にクラスの連中らは、慶兄のインタビューの事を引っ切り無しに話していた。
雷也の席には色々な人が質問に来ていた。うんざりた様子の雷也には、オレも同情を覚えるよ。
オレは熱心に携帯電話をいじるが、相変わらずメールもちゃんと打てない。
10分休憩の度に少しずつ作成していたメールを、昼休みの時間でやっと完成させた。
苦心の作品を、愛梨がわざわざ評論しにやってきた。
「龍ちゃん、携帯使えないっていっても句読点の間違いくらい気づくでしょ」
キラキラ光るピンク色の携帯が眩しい。
【昨日、 は.ごめん。心ぱいしてくれたんね、ありがとう】
鬼の首でも獲ったかのような愛梨の屈託の無い笑顔。
「こんなんじゃ『10月1日』にオープンする新サイトで遊べないよ。あたしと雷也は賞金ばっちり狙ってるんだから」
「勝手に狙ってろよ。賞金2億なんてもらえるわけ無いだろ。慶兄が話を盛ってるんだよ。
ましてどうやって携帯のゲームをするのか分からないオレが勝てるわけ無いし……いいんだよそんなもん」
──嘘10割
慶兄はやると言ったらやる男だ。
2億は本当のはず。
それに、名刺にも書いてあるのに今更実施しません、なんて国がいう訳もない。オレにとってのはただの強がりだった。