幻恋
一生分の幸せを使い果たした気分。
結果の番号が貼り出された掲示板を見ると、寧人の番号は勿論あった。
その中に、私の番号もあったのだ。
つまり…… 私は、その大学に奇跡的に合格していた。
「…寧人」
「ん?」
「…また、一緒になれたね…」
「…あぁ。
そうだな」
返事は素っ気ないけど、内心はとっても喜んでいる筈。
だって、表情が笑っていて、嬉しそう。
こんな結果に至っているのも、あの旧校舎のお陰。
…暖かな春の訪れを感じる日。
母校の旧校舎が、私たちに春の訪れと、幸せを運んでくれた……!
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