溺愛宣誓
そして少し早いながらも就寝のお時間になった。
流石に三人でベッドに寝る事も出来ず、リビングのテーブルなどを片付けて来客用のお布団を二つ敷いて寝る事にした。
「まぁ、貴様は育ちざかりだし、一晩で急に大きくなる事もあるだろう。と言う訳でソッチの布団で一人のびのび寝るといい。」
「うん。なんか言い訳が可笑しいいよ、パパ。大体、急に成長するかも知れないのはどっちかってぇとパパの方でしょ。何処がとは言わないけど。え?寧ろ狼男に変貌しちゃったりする?」
「ば、フザケンナ!これでもこれまでカノと度々一緒に寝た事はあるんだぞ。しかし、カノを大事に思えばこそ、一度たりとも完全体に成長した事など無いわ!無論、オオカミ男になった事もない!」
はて?
織田さんの何処が急に成長するというのだろう。
というか、まだ二人ともお化けネタ引っ張ってるんだ…。
「……ああ、うん。ゴメン。何となく分かった。パパ苦労してんだね。」
「俺は切実に狼男になりたい…。」
何やら分かりあえたらしい男性陣にちょっと疎外感を感じますが。
結局日向君と織田さんが同じ布団で、日向君が真ん中に来るという配列で落ちついた。
部屋に健やかな寝息だけが聞こえる静寂が訪れて、豆電球に照らされた中、不意に織田さんと目があった。
「カノは将来良い奥さんになりそうだな。料理も旨いし子供にも優しいし…」
「お、織田さんこそ………きっと凄くイイ旦那様、です。」
お仕事は真面目だし、奥さんには優しいし、なんだかんだ言って子供の相手もちゃんとするし……。
日向君とは喧嘩もんかだったけど、くっついて眠る日向君を決して突き離したりはしないんだもの。