溺愛宣誓

深光さんは身体を震わせながら続けた。


「あれ以来俺は女の子が怖くなってしまって…いや、女性は好きなのだけども。…お付き合いしていざ!という時になるとあの光景を思い出して…もしかしてこの娘にも付いてるんじゃ…と思うとどうしても出来ず…。」


可愛そう…。

憐れ過ぎてかける言葉もない程に…!


「周囲からは枯れたのか、はたまた男好きなのか、と揶揄される始末で…。」

「まぁ、過去男を襲った訳だからあながち…」

「だからっ、アレは事故だったって言ってんでしょっ!?それにあの時まで女の子と信じて疑って無かったよぉ!」


むきーっ、と言い返した深光さんは「でもっ!」と表情を明るくした。


「そんな俺にも最近ようやく彼女が出来たんだよ!!」

「わぁ!そ、それはオメデトウございます!!!」


私の拍手に深光さんはでれでれと相好を崩す。


「アッチ(海外)で知り合ったんだけど、実は彼女も日本人で仕事の都合で来ていたらしいんだ。異国の地で出会って結ばれるなんて、もはや運命としか言えないよね。」


「ああ、運命…。俺もカノとなら例え地の果てで出会っても恋に落ちる自信があるよ。」

「お、織田さん…。」


甘い顔で私を覗きこみそんな事を言う織田さんに顔が熱くなる。

「…オマエだけそのまま地の果てに落ちてしまえ……。」とソファーの影からぼそっと聞こえたけども。


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