溺愛宣誓


「まぁ、そんな訳でようやく俺のホモ疑惑も返上かなっ!」


それは本当に良かった。


溌剌とした深光さんに私も心から嬉しくなり、織田さんも心なしほっとしているようだった――――





「深光、見ぃ付っけ――――っ!!」




途端、可愛らしい声が弾けて、ツインテールの少女が深光さんに飛びついた。

…………徳河さん!?


「はわわ…!竹千代さんっ、何故日本に!?」

「ぬふ♪深光が出張するって言うから、驚かそうと思って来てみたンすよー。自家用チャーター機でちょろっとな。」

「も、もう…たかが数日なのに待ち切れず着いてきちゃうなんて、そんなに俺の事が好きなんですかぁ。」

「日本と聞いて久しぶりに美味しいメザシが食べたくなって我慢し切れなかったっす!」


デレデレと鼻の下を伸ばしている深光さんはきっと聞いて無い。


それはそうと自家用チャーター機って……徳河さん、お嬢様ですね。

それよりも!!!


彼女って…

深光さんの彼女って徳河さんだったの!?



「これも元カノと現カノの鉢合わせの修羅場というのか…」と織田さんが神妙な顔で首を捻る。

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