溺愛宣誓
「思い付きで来てみたはイイケド、その際うっかりGが一匹紛れ込んだみたいで……あ。いた。」
ソファーの影で身を顰めていたお兄ちゃんが見つかり、難なく御用となった。
「えっ!君達知り合いだったの!?」
と驚き、ちょっと狼狽気味の深光さん。
どうやら、彼は徳河さんの素性をあまりよく知らない様子。
深光さんは過去の愚行がいつ晒されるかと非常に怯えているようだったけども、誰も何も言わなかった。
過去どんな事を仕出かそうとも深光さんは深光さんだし、今の幸せを壊して欲しく無いから、それでイイのだ。
というか、
今更蒸し返してみても誰得にもならないし……
正直三人の恋愛事情など人事なのです。
「じゃ、あっしはメザシ食ったら一足先に帰ってやすねー。」
「ええ、折角来たのに、もう帰ってしまうの?竹千代さんはホント、ツンデレなんだから。でもそんな所も愛らしい!」
捕獲したG…もといお兄ちゃんをズルズル引き摺りながら立ち去るツインテールの少女を熱い眼差しで見送る深光さん。
ツンデレ…なのでしょうか。
深光さんの徳河さんを見る瞳にとんでもなく厚いフィルターが掛かっている気がする。
「ホモ疑惑は返上されたかもだが、変態(ロリ)疑惑は確定になったな…」
隣で織田さんがぼそっと呟いた言葉がとても切実に響いたのだった。
::::::::::::::::::::::::::::【とある修羅場記念日:end】