溺愛宣誓




↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓



「……く、くく……くく……くけけけぇぇぇぇ!!!」


雲の上を行くチャーター機の中で菊麻呂はほくそ笑むどころか大笑いだった。


華ノ子に押し付けた催眠術グッツなど真っ赤な偽物。

無論、ド素人が催眠術などかけられる筈もない。


素の織田に

『あのぅ…これまで言いにくかったんですけど…織田さん加齢臭臭いんですけど!?』

『織田さん脱いだら凄いですよね。お腹……妊娠何週目なんですか。ぷすー!』

とか、言っちゃえ。言っちゃえ。ぶちかませーっ。


この実験で、ラブラブな恋人同士に亀裂が入る事は立証済み…。


「てめぇ、私に手ぇかけさせてんじゃねぇぞ。今度逃げ出したら飛ばすぞ。飛行機から。」


隣の席ではふらり日本へやってきた菊麻呂を捕獲しきにきた徳河が少女のような顔を悪鬼のように歪めて悪罵を吐き続けている。

なにも彼女は手を煩わせた事のみを怒っている訳ではない。

いや寧ろ、恋人である深光との喧嘩が不機嫌の原因だろう。


菊麻呂は深光にも催眠グッツ(真っ赤な偽物)を渡し『さぁ、普段言えない本音をぶちかましてみよー♪』と唆した。

そして単純おバカな深光は嬉々としてぶちかましてくれた。


『こんな事、面と向かって言いにくかったんですけど…。竹千代さんって子供みたいですよね。おっぱい小さいですし、あは。クビレというクビレも全くなくて、足なんて象みたi―――ごふぁ!!!』


そんな容姿が俺は好きで堪らないんですけど♪…等と言う言葉を吐く前に、徳川の右ストレートを食らい口から血を噴いていた。

どうでもイイが、その幼児体型が大好きとか変態以外の何者でもない。


< 129 / 153 >

この作品をシェア

pagetop