溺愛宣誓


顔を覆って呻いていると不意に身体が傾いだ。

背中にぽすっとソファーのスプリングを感じて、反射的に視線を上げると、それはそれは妖艶な笑みを浮かべた織田さんが視界を占領していた。


「どっちがイイんだ?襲うのと襲われるの…俺はカノが相手ならどっちでも構わない。」


唇をキスと言うより舐められて、背筋を奔る甘い痺れに首を竦めた。

言葉を発する間もなく、唇がこじ開けられて舌が侵入してくる。

決して乱暴ではないけれど強引なキス。

こんな深くて激しい口付けは初めてのデートの日以来だ。

だって普段は臆病な私のペースに合わせると約束してくれた通り、私を怯えさせないような触れるキスしかしてこないもの。(時々抱っこがシツコイけど。)


「ぁ…ふ………お、おださ、ん…」


服をたくしあげて脇腹を這い上がってきた掌に、身体が大きく震える。

こんな風に触れられるのも初デートの日以来で…………。

それが何でかって言うと、織田さんが常に私の事を大切にしてくれてた証で。



―――なのに私は織田さんを暗示にかけて、織田さんの意志に関わらずこんな事を求めてしまって……




本当にそれでイイの?



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