溺愛宣誓
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「お、織田さん!」
電話を切って程なくしてレストランに織田が現れた。
早っ!
直ぐにでも太刀を振りかざしそうな程冷やかな目で見下ろしてくる織田に、天澤寺は内心ビビリながらも睨み返す。
ああクソ!
華ノ子の態度を見ればもはや勝敗など日を見るより明らかだが、だからこそ余計に反発したくなった。
「まぁ落ちついて下さいよ、織田さん。僕の機嫌を損ねて君に得になる事なんてないと思いますがね。」
「そのセリフそっくりそのまま返しましょうか。……俺を怒らせて貴様の得になる事はないぞ。」
正直、現在の会社の取引はフィフティーフィフティーだ。
天澤寺のブランド商品は業界でも定評があり、今ある取引に支障が出れば、多分織田にとってはかなりの痛手になる。
だが、織田の居る会社の方が規模がデカく、天澤寺の会社にしたら結構大きな取引相手なので失うのは正直イタイ。
つまりこんなのはただのハッタリ合戦に過ぎないのだが―――……
「俺相手に謀反を起こして、単なるハッタリ合戦だと思うなよ。」
織田の実に酷薄な笑みに天澤寺の背中をひやっとした物が奔った。