溺愛宣誓
「ぁぁぁぁぁの…わ、私……待ち合わせしてる、んで……その…」
「えー?待ち合わせって男?でもずっとそこに居るでしょー?振られちゃったんじゃないのー?だから俺達と楽しく呑みに行こうって!」
私の蚊の鳴くような声は陽気な声に一蹴された。
強引に腕を引かれ、涙目になって震えあがる。
し、知らない男の人に触られた。
ばかりか、このままではどこか分からない所に連れていかれてしまう。
怖い……誰か助けて――――…
「何してるんだ。その子は俺の連れだぞ。」
地を這うような低い声。
…あ。織田さんだ。
馴染みがあると言う程その声を聞いた訳じゃなかったけど、視界に飛び込んできたのはこの前と同じ黒い革靴だから間違いない。
や、靴なんてその日の気分で履き替える(以下省略)
ホッとして思わず顔を上げてしまって……
私は固まった。
え゛っ、ナンナンデスカ、この凄いイケメン。
整った切れ長の双眸に整った高い鼻筋整った薄目の唇
全てが精巧に作りだされた物みたいに完璧に整っている。
くどいようだけどこの間の合コンでは全く顔を上げられなかったので織田さんの顔など知る由もない。