溺愛宣誓



背後から届いた声に私は視線を織田さん達に向けた。


「何だってオマエがココで現れるんだよっ!」

「だって私鞍馬先輩と同じ会社だもの。知らなかったの?まぁ、知るわけないわよね。昔っから私の動向になんか全く興味ないものね。冷たい男。」

「オマエ一体何が目的だ。はっ…もしや俺の悪口をある事ない事カノに吹き込むつもりじゃねぇだろうな!」

「やだぁ~ん。ある事ない事だなんて…私は事実しかしゃべらないわよ。」

「だからそれが…っ!」


訴える織田さんを無視して市姫さんが私に身を乗り出した。


「心して聞いて下さいよ、鞍馬先輩!!この際だからハッキリ言っちゃいますけど、ホントサイテーなんですよこの男はっ!仕事が忙しくてデートドタキャンするとか、メールや電話無視、放置プレイ余裕一カ月、アニバーサリーは確実に覚えない、とか!女の可愛い我儘の一つにも付き合わんで、女は己の欲望をお手軽に満たす為にキープしてますって腐れ外道なんですッ!」

「ち、違うんだカノっ…それは―――」

「……………。」

「……………。」


私はチラリと大三さんを見た。

大三さんはきょどきょどと視線を反らす。


『それ既に大三が暴露って、知ってる。』


大三さんの持っている携帯から保奈美ちゃんの声が漏れ聞こえた。

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