溺愛宣誓
「わ、私のバカバカバカバカバ、カ、…カバ?」
「はいはい。どっちでもイイですよー。」とお巡りさんが調書をボールペンの背でコツコツしながらやる気なさげに突っ込む。
「私ったらどうしてあんな嘘言っちゃったんだろう。織田さんが来る者拒まず去る者追わずな人だって聞いていたのにっ……!」
再び溢れてきた涙に私はガバチョと机に突っ伏し泣きだした。
「織田さんは優しいから言わなかったけど、きっと私に飽きていて絶対『丁度良かった♪』と思ったに違いないんだからぁぁ。」
「麦茶出したつもりだったんだけど…アルコール混ざってたかな…」と若干引き気味のお巡りさん。
「仕事が忙しくてデートドタキャンするとか、メールや電話無視、放置プレイ余裕一カ月、アニバーサリーは確実に覚えない、とか!女の可愛い我儘の一つにも付き合わんで、女は己の欲望をお手軽に満たす為にキープしてますって腐れ外道だって、聞いていたのにッ! 」
「それは君……寧ろ別れて正解の男なんじゃないだろうか。」
「そ、そんな事ありませんっ!例えそれが織田さんの本質なのだとしても、私には…私にはとても優しくて勿体ないくらいステキな人だったんです…っ!」
「ぁ゛~…この子、ダメ男に貢ぐソープ嬢と同じセリフ言ってるよ…」
お巡りさんが溜息と共にそっと突っ込んだ時だった。
「カノッッ!!!!」
そんな叫び声と共に目の前に居たお巡りさんが座っていたパイプ椅子毎見事に吹っ飛んだ。