溺愛宣誓
お巡りさんの腰から拳銃を抜き取った織田さんが絶対零度の目つきでお巡りさんを見下ろす。
あ。
お巡りさんに銃口を突きつける織田さん、ドラマのSPか何かみたいに様になってて……格好イイ。
「ダマレ。貴様が本物のお巡りさんであろうとなかろうと、俺からカノを奪った貴様など泥棒猫で十分だ。」
ぎゃぁぁぁぁ、と涙目になったお巡りさんが声にならない絶叫を上げて震えあがった。
「何なんだ!?俺に無くてコイツにある魅力は何だっ!?やっぱりコスプレなのか!?カノが望むなら俺だって水泳選手だろうがプロレスラーだろうが、グラドルだろうがなんだって着て見せるのにっ!」
「何なの、君!?どんだけ裸見せたいの!?肉体自慢したいの!?」
う、嘘……だったんだ………
何もかも全部………エイプリルフールの嘘……
「カノの居ない生活なんて、俺には耐えられない。それならいっそ共に死のう…。」
「聞きようによっては誤解を生みそうな心中宣言しないで!心中なら心中で俺巻き込まないでっ!」
カチリ、トリガーを上げる音。
お巡りさんは益々以って、パンチラを眺めてニヤついていたのを咎められたオッサンみたいにうろたえた。
「やーめーてー!俺は本物だし、それも玩具じゃないんだからぁ。ちょ、彼女もボケっとしてナイでさっさとこの暴走彼氏止めてぇぇぇ。」
私はへなへなとその場にくずおれた。
「よ……ヨカッタァ~~~。」
「俄然良くない状況だがっ!?」とお巡りさんが突っ込む。