溺愛宣誓
「まーさか。カノが俺以外の男を好きになるとか、別れたいなんて言う筈ないもんな。ナイナイ!………無いよね?」
床にしゃがむ私の目線に合わせた織田さんが笑顔で私を覗きこむ。
相変わらずステキな笑顔だけど、今日に限っては非常に重圧を感じるのは何故だろう…。
そして鼻先一センチという相変わらず規格外の近距離に私はドギマギしながら、ぎこちなく頷く。
「あ、ありません。だって私…織田さんのかかか彼女ですし……その……お、織田さんしか見えてない、ですから…。」
断じて、織田さんのアップで遮られている現在の視界の状況を言っているわけではないですが。
不意にぎゅっと織田さんに手首を掴まれた。
ほんのり赤い頬をした織田さんがそっぽをむいたまま言った。
「俺のハートを盗む悪いバンビちゃんは、逮捕する。」
ええっ。
彼氏にまさかの盗人扱い!?
でも織田さんに逮捕されてドキドキしちゃっている私はヤッパリ可笑しいんでしょうか?
「スミマセンが、茶番は派出所外でお願いします。」
織田さんで一色に染まった世界に、お巡りさんの棒読みのツッコミが聞こえた。