溺愛宣誓
下心は病から
::::::::::::【六章】::::::::::
ランチタイム、織田さんから電話が来た。
『ゴメン。今日は都合が付きそうもなくて一緒に帰れないんだ。』
「え。そうなんですか。お仕事忙しいんですか?」
『…………………。ウン、マァ、オ仕事ネ。忙シイ感ジカナ。』
「分かりました。じゃ、お仕事、無理せず頑張って下さいネ。」
恙無く電話を切った。
「ぅわー。こりゃ確実に浮気フラグ立ちましたねー。」
「市姫さん!言わないで!そして人の電話を勝手に盗聴しないでっ!」
通話中、私の携帯にピッタリ耳を付けてバッチリ内容を聞いていた市姫さんに電話が切れるなりそんな事を言われて、私は涙目で叫ぶ。
「だってぇ、明らかに可笑しかったじゃないですかぁ。先輩の問いに仕事だって応える時のあの不自然な間!そして似非外国人かよっ、というあの怪し過ぎる片言。嘘吐いてますって断言してるようなもんですよ。」
「そ……、や、…でもっ………。き、きっと不自然な間は宇宙人からの交信障害だし!片言だったのは唐突にインド人の幽霊にとり憑かれたからだよ!」
「ないです。」
……ですか。
「しーかーもー。先輩だって聞こえてましたよね。遠くからヤツを呼ぶ声。女の声でしたネ。」
「ソプラノの男性でしたっ!」
「先輩、現実を見ましょうよ。」
いやーっ!!
織田さんが浮気だなんて!
そんな辛い現実直視出来ないっ。