溺愛宣誓
いつ見てもお洒落でお高そうなマンション。
織田さんの従兄弟の物らしいけど、その従兄弟が長期海外赴任になった為、その間織田さんが借りて住む事になったらしい。
その従兄弟も別の不動産屋をやっている親戚のオジサンから格安にしてやるから!とやや強引に売りつけられた物件らしいけど。
社会人になるにあたって親からは市姫さんも一緒に住めばどうか、と打診されたらしいけど、
『こんな腐った兄貴と同居とか死んでも無理!』
と突っぱねて、それぞれ一人暮らしをしているらしい。
私は震える人差し指をインターフォンに伸ばした。
ピンポーン。
『…はい?』
出てきた織田さんに私は目を見開いた。
石膏像のような均衡のとれた上半身を惜しげもなく晒したスエット姿!!!
『えっ……カノ…!?』
驚く織田さんの背後から声が…
『え~、誰ぇ?それより早くさっきの続きしましょうよ。』
乱れたナース服の女の人!!!
………………なんて事になったらどうしよう。
膨らんだ妄想に、インターフォンに人差し指を伸ばしたまま押す事が出来ない私。