溺愛宣誓
移したくない、なんて言わないで。
私は織田さんが元気になるなら……風邪ぐらいうつったって全然へっちゃらなんだから。
「早く治って下さいね。私も会えないのは寂しいです。」
呟いて、吸い寄せられるみたいにそっと織田さんの唇に触れた。
―――――――てぇ!!!
私は一体何をやっているの!!!
病気で寝込んでいる彼氏を襲うとか、変態なのっ!?
ち、違うのよ!ホラ、病は心を弱くするって言うし…って、実際、風邪で弱ってるのは織田さんなんだけどもっ!
弱った織田さんが母性本能を刺激すると言うか、保護欲を駆り立てるというかっ。
……ともかく……
逃げよう!!!
すくっと立ち上がった私は一直線に玄関に走りだし。
リビングで置き去りだった武器と言う名のお見舞いの品を冷蔵庫にせっせと詰め込むだけして。
とりあえず、脱走した。