溺愛宣誓
その時
ぴんぽーん☆
「ごめんくだせー!」
返事をする間もなくドアがばったーんと開き威勢のいい声が飛び込んできた。
飛び跳ねるようにして玄関を振り向き、私達は暫し固まった。
「…ええっと…どちらのお嬢さん、かな?」
黒いツインテールにちょっと吊り上がった目が子猫みたいなパーカー、ショーパンの女の子。
ズッカズッカと部屋に乗り込まれるような親しい間柄の知り合いではない筈ですが。
「……ゲェ………。徳河さん。」
「ええっお兄ちゃんの知り合い!?」
「まさか彼女とか!?この変態ロリコンがっ!!」
「まさかお兄さんこのイタイケな少女に口で言えないあんな事やこんな事をしでかしたなどと!?」
私達が口々に叫んでいる間にも少女は問答無用でソファーの後ろからお兄ちゃんを引き摺りだし、縄で縛りあげていた。
縄…いつも持ち歩いているんだろうか。
そして縛り上げるその慣れた手付きったら…。
お兄ちゃんを恙無く捕確した少女が全開の営業スマイルで振り返った。
「ご挨拶が遅れて申し訳ねっすー。あっしは彼のマネージャーしてる徳河っす。」
「「「マネージャー!?」」」
「……ちなみに、…そんな也だけど彼女こん中で一番歳食ってるよ……多分。」
「「「!?」」」
「いやぁ~ピーターパン症候群ってヤツっすか~。永遠の未成年っすわ。」
あっはっはーと屈託なく笑うこの少女が推定三十路近くとか…
絶対詐欺だ!!!!
と、私達三人は心中で茫然と突っ込む。