溺愛宣誓
「ほら、正直にお言い!ゲームにかこつけて夜な夜なあんな事やこんな事してんでしょ。」
「ししししてませんっ…!」
「泊ってんでしょ!?」
「だってそれは…夜中に織田さんに送ってもらうのも悪いし…織田さんは一人で帰らせられないって言うし…」
「夜な夜な一つの布団に寝て何もないと!?」
「布団じゃなくてベッドだけど……。」
愕然と立ち尽くす保奈美ちゃんともじもじ俯く私と……
市姫さんだけが何故かドヤ顔で言ってのけた。
「枯れたんですよ。」
「か…枯れ……!?」
「だって、バンビ先輩と一つベッドに寝て襲わないだなんて私なら無理。絶対無理。寧ろベッドじゃなくても襲いたい。」
「落ち着け。」
はあはあ危なげな息遣いの市姫さんに保奈美ちゃんが平静に突っ込む。
「ともかく手を出さないなんて異常ですよ。あの歳で枯れちゃったなんて可愛そうなお兄様。きっとこれまで使い捨てて来た女共の呪いですよぅ。そんな役立たずな男、論外ですね!同性といえども私なら必ずやバンビ先輩を満足させてみせるんだから。さあ、今こそ私とメイクラーブ!」
「えっ、…えぇっ!?」
テーブルに身を乗り出し迫りくる市姫さんにワタワタしている私の頭上でクスクスと軽やかな笑いが響いた。
「あれ、薫子さん。」
「香坂主任。」
相変わらずお美しい香坂主任はニコリと微笑んで「楽しそうね。相席して宜しいかしら?」と空いていた私の隣ヘ着いた。