溺愛宣誓
「ふふ…出澄がそんな愛情を持った人だとは知らなかったわ。鞍馬さん、本当に彼に大切にされてるのね。」
「え、えっと………………ハイ。」
恥ずかしながらも素直に肯定してみた。
織田さんは決して市姫さんが言うように“枯れちゃった人”ではない筈だ。
だって、初めて食事に誘われて告白された日にお、お、お、押し倒されたもの。
―――それで何故何もないかって。
あの日、織田さんマジックにかかってふわふわしたまま食事をして、ふわふわしているうちにいつの間にか織田さんの家に連れていかれていて、ふわふわと雰囲気に流された。
はじめは降り注ぐような甘いキスの嵐も、肌を滑る指の感触もただただ夢見心地だった。
けれど、何せ私にとっては初めての経験なワケで、不意に夢見心地からプチパニックに見舞われた。
あの時、泣き出した私を宥める織田さんは大層必死だった。
『ごめん。俺にこんな事されるの嫌だったか?』
『そんな事…っ、…私、織田さんに触られるの、嫌じゃない、です。でもっでもっ…私は、初めてでこ、怖いし…それに今日付き合ったばかりでいきなり過ぎて…。』
『そ、そうだよな。付き合いだしたばっかりで、な!いや、これまで付き合ってきた女共はそれが目的というか……あーいやいや…このシチュで何もしないのも失礼かと。相手も“そのつもり”で着いてくる訳だし』
『そ、そうなんですね。そうとは知らずふわふわ着いてきちゃって…ごめんなさい。こ、こんなんじゃ織田さんの彼女失格ですよね…』
『そんな事は無いっ!寧ろ世の女共が可笑しいんであって、君の反応が正解だ。寧ろ君が他の女みたいに阿婆擦r…奔放じゃなくて、俺は嬉しいよ。』
そう言って織田さんは優しく私を抱きしめてくれた。