溺愛宣誓



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「アイツ等…俺の気も知らず好き放題言いやがって…」


華ノ子がしっかり夢の国へ入国した頃合いに不穏な呟きが落ちた。


―――にしても薫子だけは相変わらず冷静だし、読みが深い。


そっと溜息を吐いた出澄はサイドテーブルのライトを最弱で点けて、改めてベッドに肘枕になる。

そうして夜な夜な飽くまで眺めるのは寝ている無防備なバンビーナ。

(や、全く飽きませんけどもねっ!)



テレビゲームなんてこの方やった事は無かったし、興味もまるで湧かなかったが、近日、最新のテレビゲームを買い、テレビまで大型に新調した。

そしてあたかも『嗜んでます』レベルを装うためにコソ練もした。


それもこれも華ノ子を家におびき寄せる為にっ!!!!

まさかここまで華ノ子がゲームに嵌るとは思わなかったが嬉しい誤算だ。

平日の夜に華ノ子が家に入り浸る、ばかりか「あ~今から送ってくと寝る時間遅くなるなぁ~。でも一人では帰せないし~」とちょいちょい圧力を掛けたら意外とあっさりお泊りが決定した。


俺の営業力マジ神領域!!!

いや、華ノ子が純真な上押しに弱い性格なのか。





言った通り華ノ子に嫌われるのは心底怖い。

だから彼女を泣かせたり怯えさせるような真似はしたくない。

――――けれど

だからと言って仏じゃあるまいしいきなり煩悩が消える筈もない。

いや、寧ろ下心を原動力に動いていると言い切っても過言ではない男、


それが織田出澄。



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