溺愛宣誓



「信頼してくれるのは嬉しいが……こうも無防備なのも考えものだな。」


すぴーすぴーと健やかに寝息を立て安心し切った顔で眠る華ノ子に出澄は相好を崩し、そっとそっと口付けを落とす。

おでこに……、

瞼に……、

睫毛に鼻先に両頬に両耳に顎に唇に―――

あ、マズイ。止まらん。


耳なし法一が身体に施した写経に劣らぬレベルで首筋に唇を落とし舌を滑らせ。


「俺は…カノを怖がらせるような事は決して…」


どの口でいうのか。


「今は寝てるから大丈夫。」


最低だ。


僅かに下りているパーカーのジッパーの狭間から胸元に唇を押しあてる。

あ~…ヤバイ…ふわふわ…満腹になるまで食っちゃいたい

(どんだけ食っても満足なんてしないだろうけどなっ)




「ぅ゛……………………虫ィっ!!!」

「(おぅふっ)!!!」


寝ぼけた華ノ子に張り手を食らって、危うく叫びそうになったのをなんとか飲み込む。

我に返った出澄は彼女の洋服を糺し、電気を消して改めて就寝した。




彼女がゲームに飽きたら次は何で釣って家におびき寄せようか……


華ノ子が隣にいる幸せなまどろみを噛みしめつつ、そんな策略を展開するのだった。



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