溺愛宣誓
「それに俺はカノジョをストーカーしていた訳ではn―――」
「俺のバンビを呼び捨てにするなぁぁぁぁぁっ!」
「“彼女”って言ったんですがっ!?話が進まないから盲目なのも大概にして!」
お巡りさんの涙目の懇願に織田さんはふんっと鼻を鳴らした。
で、何だ?と先を促すものらしい。
「あ、あの…お巡りさんは私に知り合いの女子を紹介して欲しいそうなんです。」
「はぁ!?そんなモン自分の友達に頼めばいいだろうがっ。貴様には友達の一人もいねぇのか!」
「ぁぁ…、よりにもよって最もボッチっぽい人に言われるなんて…。」
若干打撃を受けているお巡りさんに代わって、私が説明を継いだ。
「あ、あ、違うんです織田さん。それがそ、その…私の知人を紹介して欲しいらしいんです。」
お巡りさんの言う事には―――――……
数日前のランチ時。
管轄内をパトロールしていたお巡りさんは偶然私を見かけたそうな。
私の普段のランチはもっぱら会社の食堂なのだけど、時々外に出て美味しいランチを食べたりもして、その日は偶然ランチを食べに出ていた日だ。
お巡りさんは、その時私と一緒にいた同僚に一目惚れしたらしいのだ。
お巡りさんはその日から寝ても覚めても彼女の事ばかりで、休日の今日思い余って私を訪ねてきたのだと言う。