雨の日はブルー
4
苳が家に着くと、
門の前に1匹の猫が寝そべっていた。
「ただいま。夕日が暖かくて気持ちいいね。」
苳はしゃがみこんで猫に話しかけた。
猫は苳の方を見て
にゃーとひと鳴きすると、
ゆっくりと立ち上がり、伸びをして
軽やかにどこかへ歩いて行った。
苳も立ち上がり、
猫の背中を見届けると、
家の中に入った。
「ただいまー」
「あ、おかえり。」
家に入ると同時に
カレーのいい匂いが鼻を刺激した。
台所から季の声が聞こえると、
苳は匂いに誘われるように
台所へ向かった。