雨の日はブルー
「やだな、一目惚れなんて。」
将来は絶対に恋愛結婚と決めていた苳は
恋愛だけはしっかりと見極めて育みたいと思っていた。
それが仇となり、
今まで彼氏ができてもすぐに別れてを繰り返していた。
「でももう好きんなっちゃったかも」
自分でも信じられないほど
あんな一瞬見ただけの
翠の顔を忘れられない。
もう一度会いたい。
そう思ってしまうのだ。
「ねぇ、季!洗濯いつできる?」
「さあ。こんぐらいなら明日には乾くんじゃね?」
「ありがとっ」
明日、またあの花屋に行ってみよう。
もしかするとまた会えるかもしれない。
苳はそう心に決めて、
台所に向かった。
「今日母さんは?」
「遅くなるから私が作る。」
「おー、さんきゅー」
そして、今日母は仕事が遅くなると言うので
苳は季と自分の2人分の食事の支度を始めた。