雨の日はブルー
3
苳は大きく息を吐き出した。
放課後
今日は委員会がなかったため
昨日よりもかなり早い時間に
花屋の軒下に着いていた。
緊張でドクドクと鳴る胸を押さえ
もう一度大きく息を吐き出した。
すると、横に気配を感じた。
勢いよく振り向くと、
そこには昨日のオッドアイ青年、翠がいた。
「また会ったね」
「あ、あの、これ…」
震える口でそれだけ言うと、
握りしめていたハンカチを差し出した。
「こんなの、よかったのに」
「でも…ちゃんとしておきたくて」
「まあ、でも嬉しいよ、また君に会えて」
「え…?」
「僕、多分君に惚れてるんだ。」
「えっ…」
翠が何を言っているのかわからず
苳はただただ翠を見つめていた。