東京血風録
(あのさぁ、さっきから頭の中でブツブツうるさくて、寝られないんだけど……)

!!!!!!!!!!!!!!

(なっ!何っ!!!)
 頭の中の意志の疎通、そう、テレパシーで話してきたのは、王道遥である。

(あ、あの~)
 弱々しくも尋ねてみた。
(何時から聴いておられたので?)
(何時も何も最初から)

!!!!!!!!!!!!!

(僕は寝てたから合間合間をかいつまんだ程度だけど……)
 な、なんと!!!!心の声が筒抜けになってしまっていたとは・・・。
 こんなに恥ずかしい事はない。 
 独り言が言葉に出てしまってようだ。
 しかも、思念なものでかなり詳しく流出していることだろう。
 だだ漏れもいいとこだ。

(儂らの歴史を整理しておったのだが……………そのぉ……………)


 待ってみたが遥の反応はない。
(あのぉ……………は・る・か・さん?)
(ん?あぁ、なんだい?)

!!!!こやつ寝てた?!
(感想というか、出来はどうであろう?)
(ん?感想…………?)
 惚けた返事である。
 締まりのない。
 いつもと遥とは大違いだ。
(寝起きなんだ仕方ないでしょ) 

 がぁぁぁぁぁぁっ!!!!!
 これすらだだ漏れしてんじゃん!!
 なんだこれ?趣味の悪い悪戯か!
 おちおち考えごともできんじゃないか!!
(いいと思うよ、それに記憶力がいいんだね。だいたい時系列に沿ってるんじゃない)

 なんだ?遥に褒められだぞ!
 悪い気がしない。
 うん、ちっとも悪い気がしない。
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