東京血風録
 加倉井が云うにはこうである。
 東京都立伽藍学園。
 都内有数の進学校である。
 そこで怪事件が起こったと言うのである。
 1人の男子生徒が校内で暴れたという話
だが、その行動・破壊力に於いて尋常ではない事象らしい。
 その結果、こう結論づけられた。
 人ならざる者の仕業であると。



「僕も現場を見ましたが、それは凄惨なものでしたよ」
 加倉井の口調も重く沈んでいた。
「それで、加倉井さんは何だと思われてますか?」
 霧華の問い掛けに、加倉井は意外な言葉を言い出した。
「それなんですがね、僕は専門職ではないので何とも言えないのですが、憑き物の一種ではないか、と」

 そして、

「その種の最強種“鬼”ではないかな」








 
 な、なんと!
 儂も噂は聞いておるが、鬼に遭遇するのは初めてである。
 物の怪界のエリートであり、最強の呼び声も高い。
 まさかの鬼が出てくるとは。
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