東京血風録
 話が本当にだいぶ逸れた。
 本題に戻ろう。

 遥達の事務所オカルトOHDOHを出た所だ。遥が。
 壁に立てかけてあった、遥がひょいと担いだ長い布袋、言うまでもない儂である。
 駅へ向かっていた。
 電車で伽藍学園の最寄り駅である○○へ行こうというのだ。
 本当に遥と儂は一心同体である。
 何をするのにも一緒よのぉ。

 ○○までは十数分の距離だ。
 カタンカタンと小気味いいリズムに揺られておると、妙に視線を感じるわい。
 ん?
 何故わかるのかって?
 おう、わかるともさ!
 気配じゃよ、気配。 
 その感じ方で、大体わかるってもんだ。
 こんな長い得物を担いどるんじゃ当たり前だ。
 それも、長身で美形の詰め襟姿が担いどったら人目につかないほうがおかしい。
 まぁ、慣れたものよ。
 遥ももう慣れたものだ。
 そうこうしとる内に、○○駅へ辿り着いた。
 

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