東京血風録

 伽藍学園は、○○駅から歩いて15分の距離にあった。
 緩やかな上り坂を延々登っていくので、幾分かの運動量を必要とした。
 そこを軽々とした足取りで遥は登っていった。
 背中には、長い長い布袋。
 さぞ、異様であろうよ。

 間もなく正門が見える辺りの所で、正門の近くで1人の学生が立っているのが見えた。
 こちはをずっと見ていて、立ったまま身動きしない。
 どうやら、遥が登ってくるのを待っているようだ。
 遥が登りきると、伽藍学園の正門前の広大な平地に出た。
 学生とは5メートルほどの距離で、遥と目が合うと、深々と頭を下げた。 

 そして、
「お待ちしておりました。王道遥様」
と言った。
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