東京血風録
彼らの話をしよう。
王道霧華と王道遥。
即ち王道家の系譜である。
まず、彼らには両親がいない。
王道家は、代々ある能力を有していた。
(視える)家系なのでおる。
ただ、陰陽道に長けたていたり霊媒師せしめたりはしてないので、近所の人の相談にのったり良くなる方法を助言したりはしていたらしい。
それを生業へと昇華させたのは、王道家4代目当主・王道漣左(おうどうれんざ)
霧華と遥の祖父である。
彼には、視える他に特別な力があった。
霊たちと現世との関わりを絶つ能力を有していた。
彼の場合、六角形の長い杖(じょう)にて、彼の意思と断絶の理を以て、成仏させるのだ。
要は、現世に繋いでいる未練とか恩讐をキレイさっぱり、バッサリと切り離すわけなのだ。
これが功を奏して、王道家は一躍財を成すこととなる。
王道流除霊術の誕生である。
しかしながら、後の散財王・王道暁李(おうどうぎょうり)の存在により、王道家は失墜するのである。
霧華と遥の父である。
この話は、機会があれば後日話すとしよう
。
財を成すほどの能力、それを活かす頭の柔軟性と商才。
彼の能力は息子を隔てて、それぞれ孫の2人へと遺伝した。
即ち、遥と霧華にである。