東京血風録
エピローグ
王道遥は考える。
鬼の王・摂津秋房のことを。
彼に勝つ為に、何をしなければならないのか。
自身の技をどこまで強化できるのか。
そして、伊號丸との信頼関係をどれほど綿密にできるのか。
すべては明日からである。
強力な助っ人も得た。
心強いことである。
あとは自分が高みを目指すのみである。
そう考えながら、荷支度をするのであった。
藤堂飛鳥は考える。
初戦では、失態を晒してしまった。
何としても、挽回せねばなるまい。
王道家に恩返し。
至上命題を完遂したい。
その為には、尽力を惜しまない。
決意を新たにするのであった。
鳳竜堂柊一は考える。
王道遥の認識を改めなければならない。
彼の為に、いや王道家の為に、出来ることは何でもやる。
そう思っている。
その暁には、王道霧華と親密になるやも知れない。
そんな邪推もあった。
それよりも、自分の護符使いとしてのプライドが、熱くたぎっていた。
結果至上主義。
この男もまた、誓うのである。
自身と王道家の為に。