サザナミ少年少女探偵団Ⅰ
✡春風にのって、幸せの妖精がやって来る。✡
車の後部座席からぴょんと降りる。
長時間座ってたから、身体が少し痛い。
軽く伸びをすると、暖かい風が頬を撫でた。
顔を上げると、雲一つ無い青空。
足元を見ると、赤いレンガの地面を桜の花びらが絨毯みたいにかかってる。
「着いたああああああああああああああああ!!!!!!」
小柳 春亜(こやなぎ はるあ)は、今度は大きく伸びをすると、腹の底から喜びと疲れを吐き出した。
「こら!近所迷惑でしょ!静かにしなさい!」
助手席から降りてきた母、風子(ふうこ)に怒られた。
「はぁい!」
静かにする、なんて無理!
興奮を抑えられず、春亜はドタバタと家の周りを観察し始めた。
風子は一つため息を付いて、荷物運びの手伝いに回る。
家具などの大きい荷物は引越センターに任せているため、あとからくる予定だ。
そのため、運ぶのは小さめの荷物。