桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
「春樹さんっ!!」

「飛鳥。
なんだ、姫が倒れたとかって?」

「お願いします!」


自分が自分でなくなったみたいだった。

いつもの自分とかけ離れていると
自分で分かるくらいに。





「...電話ではよくわからなかったが、
姫なんだよな。」

「っはい」

「わかった。
絵里連れてきたからな。
エリ
落ちつけよ、飛鳥」




言い聞かせるようにそう言って
俺の頭に手をおいた春樹さんは、
絵里さんを連れて
幹部室へあがって行った。



「っはぁ...!」






そうだ。
落ちつけ。

こんなんだったら
こいつらに示しつかねぇよ





頭に触れた春樹さんの手は
大きくて。

どうすればいいかわからなくて
パニックになっていた体が
一気に落ち着いた。

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