桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
「弘樹、居るか?」

「はい!」


周りに居た下っ端の中から
弘樹が飛び出てきた。


「飛鳥さん...」

「春樹さんに、見てもらう。
いつ、どんな指示が来ても
平気なように、準備しておいてくれ」

「っはい...!」


不安そうだった顔が
すっと引き締まって。





あぁ、こいつらの方が、不安だよな…
なにも知らなくて、日和が運ばれてきて。

頼るべき俺らが、
こんなにも冷静じゃなくなっていたら。

不安、だよな……






何かを迷うように
目を泳がせた弘樹は、

「...後で、
俺ら全員に詳しく説明してくださいっ!」


意を決したように
そう言って頭を下げた。

「あぁ。
わかった」

「ありがとうございます!」

そういって
すぐに周りに
指示を出し始めたあたりは
本当に頼りになる。



「俺も、しっかりしなきゃな...」

小さくつぶやいて
もう一度、
幹部室の中に入った。


飛鳥side end
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