桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
涼side


飛鳥が出て行ってから少し。


春樹さんが幹部室に入ってきた。

「涼。」

現役の時には
圭斗や卓也に似ている感じも
あったのに、
落ちついた貫禄のある春樹さんは
もともとの器が違うのだろう。



名前を呼ばれて、
茫然とした意識が
引き締まったのがわかった。

「はい」

「絵里、連れてきたからな。」

春樹さんの妹であり、
怪我人が出た時には
春樹さんと一緒に倉庫まで来て
手当てしてくれた絵里さん。

「ありがとうございます...!」



姫が、としか言わなかったのに
日和の事を考えて絵里さんを
連れてきてくれるあたり、
やっぱりさすがだ。


「とりあえず、診察するわ」

「「「「お願いします...!」」」」

力強くうなずいた
春樹さんが絵里さん声をかけた。


「絵里、とりあえず着替えな、
制服のままじゃきついし。」

「うん。
患者さん用のあるからそれで」

「あぁ」


「...宏明、卓也、手伝って。
仕切り使うから囲って」
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