桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
対立
桜の木も青く色づいてきた。
幹部室の出窓に座って、木を見上げる。
日に透けた明るい緑の葉が
凄く綺麗で全く飽きずに見惚れていた時
「涼。」
飛鳥がかしこまったような小さい声で、
静かに涼を呼んだ。
……きっと、私に聞こえないように。
幹部室の出窓は幹部室の角。
部屋の向こう側に飛鳥のパソコンがある。
振り向かずに、
でも少し集中する。
卓也と圭斗の騒ぐ声。
宏明は本を読んでた...けど
涼達の方に行ってるかも
色々なことを考える。
二人が騒いでいるのは
私へのカムフラージュ...?
そこまで考えて思考を停止させた。