桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
飛鳥side



学年代表の集まりに参加して。
やっと終わったと一応屋上に向かった帰り。




四人は先に行ったみたいだな…

屋上からの階段を降りていく。

「あぁ。
わかった。」

「もう倉庫に居るんだな?
今から向かうよ」

涼と電話をしながら降りる。

「ん。わかった。
じゃあな」

ぷつっ

電話をきって、
ふと聞こえた音に耳を澄ます。

「っもういこ!」

なんだ?

階段から身を乗り出して下を見た。


「!」

何人かの女が、転んでいる橘さんから
離れるところだった。

無言でそのまま重そうな荷物を持って
階段を上がってくる。

「っ!」

思わず隠れた。


……なんで隠れた、俺…






橘さんは俺には気づかずに
一年の教室へ向かって行った。




「なんでだ...?」




あぁ...そうか。
雑用を押しつけられてたっけ...



嫌がらせでも受けてたのか


なんだか気になって、
帰ろうとした昇降口の近くで
立ち止まった。


「…………」


何をするともなく、
壁に寄りかかった。


橘さんが来たのを確認して、
物陰に移動する。


校舎を出ていく
橘さんを追いかけた。
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