桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
ぽん、ぽん、と頭の上で弾む宏明の手と、
聞こえてくる涼達の声。
___「…その体にある過去の傷を、
あいつらに一緒に持ってもらうつもりは
……あるかい?」
みんなの声に混じって、
春樹さんの声がこだまする。
___「…大事な、大事な人を、仲間を、
守るくらいの力はあいつらは持ってるのよ
貴女が迷惑とか面倒とか
そういうこと考えないでも、大丈夫なのよ」
絵里さんの声が響く。
「っ…あり、がと」
みんなの声が、止む。
大丈夫、大丈夫、
みんななら、きっと……
ほんとに?
ほんとに、大丈夫なの?
引かれるんじゃないの?
だって、こんなの、重たくて…
手を、握った時。
「日和」
低くて、深く通る声。