桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
圭斗がそっと私の右手を包んで
キュッと握った。
「俺らのことまで気遣って
嫌われないように怒られないように、って!
すんのはもう癖なのかも知んねぇけどでも言う、
俺らはそんなことくらいでお前から離れるような奴らだと
お前は思ってんのか!日和!!」
ズドン、
胸に来る衝撃。
「涼」
「それは、言わない約束だ」
飛鳥の冷静な声と
宏明の低くて小さめの声。
「っ…」
私は。
そんなこと、
「…っない……」
シン、とした部屋の中には
小さな呟きですらはっきりと聞こえて。
「そ、んなこと、思って、無い……!」
振り向いた体を無意識に戻して
俯いた。
溢れすぎる感情をどこから処理していいのかわからない。
感情を抑えるかのように
ゆっくり少しずつ言葉が出てくる。