桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)



ガタンッ!!


音を立てて立ち上がる


な、んで……!!


思わず握った手を、
そっと解いて震えそうになる手で
画面を叩く



《返事は?》

っ…





《お願いします少しだけ》


タタタ、
画面を叩く音が耳まで届く。


《あ?》

《少しだけ、待ってください》


返事を待たずにマナーモードにして
画面をブラックアウトさせた。







「日和…?」

しゃがんだままの卓也と圭斗の
私を見上げる顔に
罪悪感がこみ上げる



「っ…」


「日和、誰だ」



耐えられなくて後ろを向けば、
すぐ近くにいる宏明。



何も言わずに左右に首を振る。





ダメなの、これは
これだけは

高倉って言ってた

あの人は、そことも繋がってるんだ…!



「…メッセージだったね」

通知音、と続けた飛鳥に
暴かれてしまうのではないかと恐怖を感じた。



「顔が青いよ?」

静かにいう飛鳥の声が
異様な空気の充満する部屋を突っ切る



< 279 / 315 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop