桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)





「……っめなの…」


チカチカと光る通知のライト。

手の中で震える四角い鉄の塊。



「っ!」

俯いて首を振る私の目に入ってきたのは
ポップアップで表示された通知。




《そいつら傷つけられたくないなら、
わかるよな?》



咄嗟に画面を開く。


《どうせ一緒にいるんだろ
読め。読み上げろ》



「っ…!!!」



《話すことなんてない》



「わ、たしはっ…」


《あ、もしお前がそこから離れないなら
俺がお前を直々に迎えに行ってやる
抵抗するなら手伝ってくれる奴らも一緒に、な》


っ!!!

目の前がチカッと光った気がした。

目がくらんで、みんなの心配そうな顔が
段々と黒くなって見えなくなる。




ダメ...!
みんなだけは...



「みんなに、話すこと、ない……」

思っていたよりも、落ち着いた声。


「は…?」

《一緒にいたくなんかない》



「日和…?」


「…っ」


言いたくない。

言いたくないよ



___手伝ってくれる奴らも一緒に


っ…


お願いだから、声、震えないで……


「いたく、ない…」



茫然とした顔。
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