桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)




《もう飽きた》


《私に構うな》




お願い。

体も、声も、震えないで…


みんなが1番傷つけないのは
私を嫌いになること。

演じないと。みんなのために。



演じ切りたい。
演じ切らせて。

演じ切ってみせるから...



「日和何言ってんだ?」


ごめんね。
今まで本当にありがとう。

...だから、嫌いになって。



「…もう、飽きたから!!
私に構わないでっ!」



「は?」

「…何言ってんだよ」


「……本気で、言ってんのか」



低い声。

低い、低い声。




「…構わねぇよ」


っ!!


「お前が俺らに本気じゃねぇなら、
俺はお前と関わろうなんて思わねぇ」

涼の顔からはなんの感情も読み取れなくて。




「…俺も」

「遊びなら、出てけよ」


立ち上がって私の正面に回った二人が
そう言って私を見据える。





「っ…!」

目線に耐えられなくて下を向いた。


あぁ、ダメ。
今の私は、見せなきゃいけない私は。




「さっき言ってた言葉も、
俺らを騙すための嘘?
今までもどれくらい嘘ついたんだろうね」



っっ……


飛鳥の冷徹な、
感情を感じない声が突き刺さる。





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