桜色の恋 (龍と桜とロボットと。)
宏明side
「私はっ!!」
声を荒らげた日和の顔は涙で濡れていて。
今も瞳から溢れそうになってるそれは、
今日初めて見たもので。
さっきとは違いすぎて。
そんな顔なんか、
一度も見せたことなかったくせに。
そんなにも大きく
感情を見せたことなかったくせに。
正直いって、見とれた。
夜の光を反射させる目と
濡れた頬。
思わず言葉が奪われて、
言われたことにも呆然として。
走っていく日和の姿は
やっぱり綺麗だった。