山桜
対応してくれたのは、山南よりも歳が離れているであろう律儀な人の良さそうな男だった

『北辰一刀流門人の山南敬助と申します…突然の…』

『かしこまりました…しばしお待ちください』

山南が言い終わる前に、男は軽く頭を下げると奥へと小走りで向かっていった

『まだ本題を伝えていないのだが…
天然理心流は心を読むことができるのか…?』

首を傾げ、傍にあった切株へと腰をかけた

外からも見てとれたが、試衛館はとても建物が傷んでいる
とてもじゃないが見た目では門下生がたくさんいると思えない
むしろ門下生がいないために困窮しているとも思えるほどであった
< 5 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop