心見少年、音見少女。
火影と水晶が、それぞれ髪と首を指す。
確かに、二人も同じようなものを付けている。火影が髪ゴム代わりにポニーテールに、水晶が紐に通してネックレスのようにつけていた。
「お前と私も、そうかもしれない。」
「え?」
ずいっと詰め寄る日和。夜空を溶かし込んだような二つの澄んだ瞳が、真っ直ぐに佐月を捉える。
「擬音語、つまり『外側』が見える私と、心である『内側』が見えるお前。丁度対になる存在だ。」
「……」
「―――安心しぃや、佐月くん!必ずしもそうなるとは限らんし。後で先生からその珠、配布されるやろから、後でつけときぃ」
水晶からポンと肩を叩かれたのと同時に、始業のチャイムが鳴った。