心見少年、音見少女。
「えー、今年度もこのクラス、X組の担任を務める、間地 妃紅(まち ひべに)でーす。今回新しく入ったのは一人だけだけど、皆仲良くしてやってくれー」
「「「「「はーい」」」」」
間地先生はヘタするとニートに見えるような、ダラッとした感じの若い女性だった。
指輪をつけてないから、独身だろうか?
でも、薄い化粧を施した顔は、女神のように麗しく、綺麗だ。ボーイッシュでザックリとしたショートボブもキマってる。
それにしても、随分と適当な説明だ……。
「特に連絡は無いから、この時間に自己紹介だけしちゃおうか。皆、自分の名前、学年、持ってる能力(チカラ)と、なにか一言言ってね~」
「「「「「はーい」」」」」
「最初は編入生の佐月から。よろしくゥ」
「あ、はい」
まあ、確かに新人から挨拶するのは当然だよな。
少し緊張しながら佐月は立ち上がった。
「倉橋 佐月、高等部一年です。持ってる能力は人の心を読むこと。まだこのクラスのシステムとかルールはわかりませんが……よろしくお願いします」
ふうと息をついて席に座ると軽く拍手が起こった。